FXって「破産」や「借金」といった怖いイメージがあります。
この「恐怖」を「イメージ」だけでやる気がなくなっている人も多いのはないでしょうか?
何が怖いかわからんが
とりあえず怖い。
不安はズバリ「破産」や「借金」を背負う可能性の関係性がよくわからないところです。そのよくわからない「怖さ」を「具体的」にしてきちんとリスクを管理すれば怖い部分も解消できます。
FXは投資より投機よりのトレードですので消えても構わない余裕の資金を使って低いレバレッジで取り組めば「借金(追証)」が、のしかかることもありません。
FXの怖さを解消するための解説をしていきますね。
国内FX業者のロスカットについて
ロスカットとは取引によって生じた損失が想定される最大損失を超えた場合に作動するシステムで、取引を終了させることでそれ以上の損失を防ぐためにシステムです。
各会社によってロスカットの設定は異なりますが、設定で使用されるのが「証拠金維持率」。
証拠金維持率(%)=純資産➗必要証拠金×100
例)口座の中にお金が100,000円入っていてドル円のレートが1ドル135円の時
必要証拠金:135円×10,000通貨➗25倍※=54,000円
証拠金維持率:100,000円➗54,000円×100=185.185%
レバレッジ:135円×10,000通貨×1lot➗100,000=13.5倍
1ドル135円、資金10万円で1万通貨のトレードをした場合
証拠金維持率は185.2%でレバレッジは13.5倍
※国内FX会社はレバレッジが25倍まで
※レバレッジ=レート×10,000×ロット数➗純資産
DMM FXのロスカット設定
証拠金維持率100% 追加証拠金発生
追証が発生した翌営業日の04:59までに提示された追証金額以上の入金もしくはポジションを決済しておく必要があります。入金や決済をしていないと05:00に強制決済(ロスカット)になります。
証拠金維持率70% アラートメール
70%になった時点でアラートメールが配信されます。ポジションを整理(決済)するか、入金してロスカットを回避する必要があります。入金や決済をしていないと05:00に強制決済(ロスカット)になります。
入金しないとロスカットになるぞ!という悪魔のメール
証拠金維持率50% 強制ロスカット
翌営業日の04:59を待つことなく50%になった時点で強制ロスカットとなります。
問答無用の
強制ロスカット
Light FXのロスカット設定
120%でアラートメール
メールでロスカットになる危険がありますよというメールが来る。
一度、120%になってしまいメールが来ました。
あまりよくわかっていなかったのですが、今思うと恐ろしい…
基本は低レバ(倍率1桁)でトレードしているのですが、損切りができずナンピン、逆を持つ両建てなどしてしまいロットを多く持ってしまっていたらメールが来ていました。
実際はメールに気が付かずトレードしていて数時間後にこのメールに気がついて心えぐられる気持ちに。
初めてのロスカットの恐怖
(無知の怖さ)
低レバでトレードしているから大丈夫だと思っていましたが、「ついナンピン」「つい両建て」とニッチもサッチもいかない状態になることで自分の首を絞めることになります。
100%でロスカット
アラートメールもなく、自動で決済されるようです。
FX TF(ゴールデンウェイ・ジャパン)のロスカット設定
証拠金率判定時刻(15:35~15:50)に100%未満になった時ロスカット
FXTFでは証拠金率の判定時刻(15:35~15:50)というものがあります。
この時間に100%未満になっている場合は損失の大きいポジションから順に強制決済(維持率が100%になるまで)
それ以外の時間は証拠金維持率が100%未満でも50%以上あればロスカットにはなりません。
証拠金維持率50%未満で強制ロスカット
証拠金率判定時刻以外でも証拠金維持率が50%になった場合は、損失の大きいポジションから強制決済されます。
アラートはなし
FX TFにはロスカットを知らせるアラートメールの機能はありません。レバレッジを高くして持っている時には強制決済に気をつける必要があります。
追証(追加保証金)とは
証拠金が不足したときに追加でFX業者にお金を入金する必要が出てきますが、そのお金のことを「追証」と言います。
追証の種類
①損失回避の追証
自分が保有するポジションがマイナス(損失)になっている時、ロスカットなどを回避するために追加で資金を投入する時の証拠金のこと。(追証=お金を入れて証拠金維持率を増やす)
②ロスカットラインで決済できない場合の追証
ロスカットが発動した際、急激な為替変動により指定のレートでの決済が行われず、決済終了時に証拠金が不足した場合、FX業者に入金するための証拠金のこと。
ロスカットが発動した時に重要指標発表などで指定のレート(ロスカットライン)で決済が行われず、さらに損失が大きくなったところで約定した場合、ロスカットラインで決済すれば元々の証拠金が0になるだけですが、ずれた分の損失額を「追証」として口座内に入金する必要が出ます。
135.000円で決済かけたのに
すべって135.500円で決済された…
(不足した0.5円分の追証が必要)
(1lotなら5千円)
ロスカットラインでの決済が発動しない理由は以下の通りです。
1.障害
経済指標・要人発言の直後、東日本大震災のような天災により業者のサーバーがダウンしてしまい取引注文を入れているのに決済ができない「取引不可」状態になる。
2.スリッページの発生
大量取引があった場合など、注文したレートと実際に約定したレートとの差が出ることがあり、それをスリッページと言います。このスリッページもロスカット時に借金になる可能性がある原因の1つ。
3.ポジションを来週に持ち越す
土日は市場が休みなので取引できません。週末に何かしらの為替を変動させる要因があって決済注文を入れることはできたとしても月曜朝は大きく窓を開けてはじまることもあり、意図しないレートで決済されることがあります。
このように意図したレートでのロスカット発動ができないことがあり、サーバーが回復した時の再配信レートで乱高下してロスカットラインを大きく乖離(かいり)する場合があります。
【決済できない例】
純資産:100,000円、1lot=10,000通貨の場合
1.8Lot買い注文
レバレッジ:24.30倍
約定レート:135円(1lot必要証拠金:54,000円)
拘束証拠金:97,200円、純資産:100,000円、証拠金維持率:102.88%
pips損益:0pips、約定評価損益:0円
↓
配信レート:134.838円(1lot必要証拠金:53,935円)
損益(pips):-16.2pips、評価損益:-2,916円
拘束証拠金:97,083円、純資産:97,084円、証拠金維持率:100.00%
★DMMFX:追証必要、LightFX:強制ロスカット、FXTF:判定時間の場合強制ロスカット
↓
配信レート:133.174円(1lot必要証拠金:53,270円)
損益(pips):-182.6pips、評価損益:-32,868円
拘束証拠金:95,885円、純資産:67,132円、証拠金維持率:70.01%
★DMMFXアラートメール
↓
配信レート:132.086円(1lot必要証拠金:52,834円)
損益(pips):-291.4pips、評価損益:-52,452円
拘束証拠金:95,102円、純資産:47,548円、証拠金維持率:50%
★DMMFX、FXTF:強制ロスカット
配信レート132.086円がロスカットラインだが、サーバーダウン発生、取引不可
↓
復旧後
配信レート:127.200円(1lot必要証拠金:50,880円)
pips損益:780pips、約定評価損益:-140,400円
拘束証拠金:91,584円、純資産:-40,400円、証拠金維持率:-41.11%
★ようやく強制決済
↓
40,400円の強制追証発生
元々10万持っていて、約常時の損益が-140,400円なので追証40,400円をfx業者に支払う必要がある上に元々の10万円も無くなってしまう。
指標で5円一気に乱高下することはあり得ることなので、そんなにおかしい例でもないと思います。
①は自分で判断できる「追証」ですが、②は自分では意図しないところで決済してしまった損失額の「追証」になり、この②の追証が巨額になれば借金まみれになることもあります。
FXのような投機色の強い投資は「溶けても大丈夫」な資金でレバレッジも低めにトレードするに限ります。以下は証拠金に対するlotと倍率(レバレッジ)の表です。国内のレバレッジは最大25倍までです。
レート | 純資産 | 購入可能lot | 1lot倍率 | 2lot倍率 | 3lot倍率 | 4lot倍率 | 5lot倍率 |
135円 | 100,000 | 1 | 14 | 27× | 41× | 54× | 68× |
135円 | 200,000 | 3 | 7 | 14 | 20 | 27× | 34× |
135円 | 300,000 | 5 | 5 | 9 | 14 | 18 | 23 |
ゼロカットについて
海外FX会社にはゼロカットという②のような意図した決済レートがずれた場合のズレの部分をトレーダーが負わなくて良い仕組みがあります。
トレーダーを守ってくれるとても素敵な仕組みなので、国内より海外FX業者をオススメする人もたくさんいますが、海外は手数料がかかったり、スプレッドが広かったり、出金不安があったりと別の不安要素があります。
レバレッジを高くしなければ「ゼロカット」の魅力を享受する必要はありませんので、わざわざ手数料(スプレッドなど)が多くかかる海外ではなく国内業者で良いのではないかと思います。
また、海外FX業者には5分以内のトレードを禁止しているところもあるので「スキャルピング」をする上では注意が必要です。
ロスカット【まとめ】
FXの恐怖や不安ってどこから生まれてくるんだろう?ということでロスカットや追証について解説してみました。
結論、適正ロットで適正レバレッジであればロスカットになることはありません。
ロスカットになることがなければ追証の必要もなく、不安を感じることもありません。
適正ロットや適正レバレッジは人によって違ってきますが、10倍未満であればロスカットの心配もなくトレードをすることができますので7〜10倍あたりに収まるようなlotでエントリーしてみてくださいね。
そうすることで追証やロスカットの不安におそわれずにトレードすることができます。